次に来るのは

震災の番組を観て、彼は泣きそうだと言った。
その脅威を画面の向こうでしか見た事のない私は、「すごかったもんね」と素っ気ない返事しか出来なかった。
私は彼が背負った何万人もの悲しみを、苦しさを、知らない。
大きな災害を体験したことも、近しい人と離れ離れになったこともない。
そんな非日常でしかない恐怖が、もうすぐ、私のところにも、来る。
避けられない災厄が、私の日常を崩しにやってくる。